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矛盾社会序説 その「自由」が世界を縛る(御田寺圭)

書籍情報

書籍目次

01 「かわいそうランキング」が世界を支配する

大きく黒い犬

かわいいものは優先的に救済される

人間もかわいい存在の悲劇だけが注目される

02 男たちを死に追いやるもの

本当は弱い男たち

「甲斐性」への期待がもたらす淘汰圧

「弱さを見せてはいけない」

死のリスクを「分散」できるか

「男性の弱さ」を隠さなくて済む社会

03 「男性〝避〟婚化社会」の衝撃

結婚したがらないのは誰か

夫婦の時間的負担は平等である

離婚後のリスクの不均衡

子どもが欲しくない男たち

04 外見の差別・内面の差別

「地毛登録」の波紋

イケメン・美人の効能

シグナリングの是非

ペドフィリアは「治療」すべきなのか?

05 「非モテの叛乱」の時代?

「不本意な禁欲主義者」たち

他者アクセスの自由化、他者サクセスの可視化

性的魅力の格差

「性の再配分」という論点

欧米の人間関係

06 「ガチ恋おじさん」――愛の偏在の証人

「はじめてやさしさを与えてくれた人」

後日談

07 「無縁社会」を望んだのは私たちである

叩かれる「キモい人」

多様性のなかの排他性

「無縁社会」に生きる40代ひとり暮らし

もうすぐ自由のツケを払うときが来る

08 「お気持ち自警団」の誕生と現代のファシズム

ツイッターの氷河期

「被害の配慮」と「被害の閾値」

「お気持ち自警団」の誕生とISIL

リヴァイサンの召喚

次なるファシズムは反ファシズムの美名のもとにやってくる

09 デマ・フェイクニュースが「必要とされる社会」

終わりの見えないデマとの戦い

デマは心情に寄り添う

デマを否定するためのコスト

クロスボウと支配者階級の寓話

情報社会のジレンマ

10 「公正な世界」の光と影

社会の営みを支える「ある信念」

犠牲者非難・自己責任論の礎

「一億総活躍社会」

浄化される世界

福祉排外主義の台頭

11 橋下徹はなぜドナルド・トランプになれなかったのか

「橋下劇場」の環境は物静かだった

エリートとして「うまれる」アメリカ、エリートに「なれる」日本

エリートに「なれた」からこその絶望

「やさしい排外主義」

12 なぜ若者は地元から去ってしまうのか

若者の流出が止まらない

終わらない学校生活

「絆」のない街、「絆」のある街

あの「柵」の向こうへ

地域社会の「絆」の再検討

中間共同体の再構築と追体験

13 「働き方」の呪縛

何が労働環境を歪めているか

利便性のサクリファイス

「やりがい」と「報酬」の不可解な関係

「目に見えないもの」の価値

両極端な社会との決別

14 ベーシックインカムが解決できない問題

先行的な取りくみ

BIの二面性

「人間の証明」

BIの補完を検討する

15 疎外、そして近代の甦生

われわれの社会のピットフォール

疎外の重層構造

自由と疎外の鏡面構造

対抗手段はあるのだろうか

16 「ひきこもり問題」のパースペクティブ

「ひきこもり」を暴力で解決する

合法的な子棄ての機会提供者

戸塚ヨットスクールの呪い

棄てられる子は幼いとはかぎらない

「セルフネグレクト」、「発達障害」

放置してきた諸問題のグランドクラス

17 この社会には透明人間がいる

「ミッシングワーカー」

「諦めた」のは誰か?

家族は「介護要員」であったが・・・

トリレンマの問題構造

18 「社会的な死」がもたらすもの

秋葉原無差別連続殺傷事件

新幹線内無差別殺傷事件

やくざの一分

19 相模原事件の犯人を支持した人びと

「人の価値」

「社会の矛盾を暴く行為」

本当は「不寛容」な人びと