考える脳 考えるコンピュータ(Jeff Hawkins)
書籍情報
- 著者:Jeff Hawkins(著), Sandra Blakeslee(著), 伊藤文絵(訳)
- 発行日:2005-03-23
- ISBN:9784270000601
書籍目次
- 日本のみなさんへ
- まえがき
- 第1章 人工知能
- 脳を知りたい
- 人工知能研究所の盛衰
- コンピューターは知能を持てるか
- ついに、脳研究へ
- 第2章 ニューラルネットワーク
- ニューラルネットワークの理想と現実
- 自己連想記憶
- 知能と行動
- 発想の転換
- 機能主義から見た知能
- 第3章 人間の脳
- 驚異の組織、新皮質
- 新皮質の領域と階層
- マウントキャッスルの発見
- 柔軟な新皮質
- パターンとしての感覚
- パターンの等価性
- パターンの処理と知能
- 第4章 記憶
- 100ステップの法則
- 記憶による運動
- 新皮質の記憶
- 普遍の表現はどうやって働くのか
- 普遍の表現と予測
- 第5章 知能の新しい定義
- コーヒーカップのひらめき
- ドアの改造
- 「予測」という枠組みの由来
- 予測の重要性
- 人間はどうやって予測ができるようになったのか
- 記憶による予測
- 第6章 新皮質の実際の働き
- 脳の解明への道のり
- 感覚野の構造
- 連合野の構造
- V1野の新しい解釈
- 現実世界のモデル
- シーケンスののぼりおり
- 分類とシーケンス
- 一つ一つの領域の中はどうなっているのか
- 一つ一つの領域は何をしているのか
- 行動と予測
- 上向きの流れと下向きの流れ
- 逆方向の流れと予測
- 新皮質の学習方法
- 階層の頂上に位置する海馬
- 階層をのぼる第二の経路
- 結論として
- 第7章 意識と創造性
- 動物に知能はあるか?
- 人間の知能はどこが違うのか?
- 創造性とは何か?
- 創造性に個人差はあるか?
- 訓練によって創造性を高めることは可能か?
- 自分の創造性にまどわされることはあるか?
- 意識とは何か?
- 想像力とは何か?
- 現実とは何か?
- 第8章 知能の未来
- 知能を備えた機械は実現できるのか?
- 知能を備えた機械をつくっていいのか?
- 知能を備えた機械をなぜつくるのか?
- 知能を備えた機械はいつできるのか?
- あとがき
- 謝辞
- 訳者あとがき
まえがき
コンピュータは知能を持つことができるか?
- 人工知能の研究者はコンピュータの性能が十分に上がれば知能を持たせられると主張している
- しかし、脳とコンピュータの働きは根本的に異なっているので、コンピュータの性能が向上しても知能を持つことはない(と考えている)
ニューラルネットワークは知能を備えた機械に発展しないのか?
- ニューロンの働きを解明することなく、単純なニューラルネットワークに頼っていては知能を備えた機械に発展する見込みはない
脳がどのように働くかを解明することは、なぜそれほど難しかったのか?
- 殆どの学者は脳が極めて複雑なので解明はずっと先だと主張するが私(著者)の意見は違う
- 幾つかの仮定が間違っていた為、研究者が惑わされてきたことが原因
振る舞いで定義されないのなら、一体知能とは何なのか?
脳は実際にどのように働くのか?
新しい理論によって、つぎに何がわかるのか?
- 例えば、創造性とは何か、意識とは何か、人間は何故先入観を抱くのか、どうやって学習しているか、など
- 突き詰めれば人間とは何か、その行動は何故起こるのかについても考察する
知能を備えた機能をつくることは可能か? その用途は?
- いずれ作られるだろう
- AIやロボットが反乱を起こすという懸念については否定的
第1章 人工知能
1980年頃の人工知能研究の雰囲気
- プログラムによってコンピュータに知的な振る舞いをさせるというアプローチが主流
- コンピュータは脳がやっていることも、それ以上のこともできるのだから、生体の脳の仕組みに縛られる必要は無いという風潮
- まず人間の能力に匹敵し、次にそれを超えるプログラムを書くことが人工知能研究の王道と見なされていた
著者の見解
- 明らかに間違ったアプローチである
- 脳とコンピュータは根本的に異なるものであるという直感
- 元々CPUの技術者だったのでコンピュータの動作をトランジスタの物理的な性質レベルで知っていた
- コンピュータはプログラムされた命令を実行するだけだが、脳は自分で学習する
人工知能研究の歴史
- 画像認識
- ディープブルー
- エキスパートシステム
- チューリングテスト
- ELYZA
- 中国語の部屋
第2章 ニューラルネットワーク
第3章 人間の脳
第4章 記憶
第5章 知能の新しい定義
第6章 新皮質の実際の働き
第7章 意識と創造性
第8章 知能の未来