自衛隊に学ぶ「最強の仕事術」実践ノウハウ(久保光俊, 松尾喬)
書籍情報
- 著者:久保光俊(著), 松尾喬(著)
- 発行日:2017-05-25
- ISBN:9784837926894
書籍目次
- 本書は驚異のコンバット・トレーニング(戦闘訓練)を、ビジネススキルに
- 昇華させた現状突破のための技術書である ――前書きに代えて
- お読みいただく前の基礎知識
- 自衛隊の「戦い9原則」
- CHAPTER1 情報の「伝え方」劇的改善ノウハウ
- 誤解のない情報伝達は奇跡と思え
- 「イチ」か「シチ」かの聞き間違いが生死を分ける ――できる人は、伝え方にも気を使う
- 「誤解されて当然。理解されたら偶然」 ――自分が話すときの心得
- 込み入った情報の伝え方
- 土壇場で慌てないために「真っ先に報告させるべき案件」
- 知らないことは「知らない」と申告させる
- 思考が整理される「箇条書き」のすすめ
- 「メモ」の取り方にすら、コツがある。記憶を過信してはいけない
- 「報・連・相」の真の目的を教える
- 「幼稚な相談」「大人の相談」
- 無能な上司は失敗談をしない。有能な上司は失敗談で腹オチさせる
- 「川の水は、なぜ凍らないのか?」人を動かす説明の極地
- 誰もが耳を傾ける話し方
- 「質問がなければ、こちらから質問します」のすごい威力
- わからないのい、なぜ部下は質問しないのか? 積極人間に変える技術
- 手抜きをするために、やり方を知る
- 部下が動きやすい、仕事の「振り方」
- 超難局では「一令一動」
- 声を出させると、動きやすくなる
- この「やりがい」を与える
- 勘違いやミスをなくす「周辺視」
- CHAPTER2 目標「達成率」超アップノウハウ
- 勝ちぐせがつく「目標設定」からスタートする
- 人はそんなに強くないを前提に目標を現実に落とし込む
- 防御に勝利なし。「守りの目標」は態勢立て直しの時間稼ぎと心得る
- 「なぜ必ず達成できるのか」最強のリーダーは理由を強く伝える
- 「後尾異常あり」。弱いメンバーのフォローもぬからない
- ゼロからではなく「上書き」で安全成長するのも手
- ぐずぐず先延ばししない技術 ――わからないことを明るみに出す
- カエルは一口だけ食べてしまえ!「5分だけやる」が勢いをつける
- やることが多すぎる!→「劣後順位」で前始末をキッチリつける
- 締切厳守には「○時までに」と期限を伝え、時間見積りさせる
- 「期日」と「頻度」、2本のニンジンを下げればぐいぐい進める
- 「予備は30%持て」。心の余裕は、勝率アップの鉄則
- 最短最速で命中率を高める「狭差法」
- 難攻不落の目標は「突破口」をつくって、次々落とす
- CHAPTER3 「自分の頭で考える部下」育成ノウハウ
- 生産性の高いリーダーほど、育て上手
- 人を成長させることが、最大の人体コストカットとなる
- 自分の頭で考えられる部下を育てる
- 失敗は許す、嘘は許さない
- ビル・ゲイツより、社内の人を目標に。「目標の見える化が」が効く
- 実戦で1回成功させるために、訓練で100回失敗させる
- チームから落ちこぼしをなくすために
- 部下の理解度を「見える化」する
- 教えを沁み込ませるのは、身体と心をほぐしてから
- 相手のレベルによっては頼み方は、変える
- 物、金、時間をどう使うか? 成長を加速する基礎固め
- 自分が、世界最強の敵となってみせる
- 主役と脇役、両方経験させるとチームは強くなる
- 高度なスキルを極める人がしている、ごく小さな習慣
- 部下の成長が遅いときのチェックポイント
- 汗と結果と。どこで評価すべきか?
- 「稼ぐ人」に私が課すこと
- CHAPTER4 信ある「リーダーシップ」要請ノウハウ
- リーダーに求められる基本4原則
- 自分の常識は、相手の非常識。だから「明確な基準」をつくる
- 「あなたについていきたい!」過酷な条件下で信頼を勝ち取る
- 感情をコントロールし、「強い自分」を演出せよ
- 「ついてこい!」は二流の台詞。「率先垂範」こそ一流
- 「好かれること」と「信頼されること」は違う
- 「密室の暴君」になるなかれ
- オオカミの集団性と、ヒグマの分散性を持て
- 失敗は自分の中で静かに血肉とする。言い訳する者は、愚かに見える
- 人を信用しても、仕事を信用してはならない
- CHAPTER5 「最強チーム」を作る組織運営ノウハウ
- 制服は「私」より「公」を優先する制限服である
- 「100 - 1 = 0」の怖さを教える
- 現場を自立的に動かす極意
- 「ハインリッヒの法則」 ――大事故の前兆を察知する
- 挨拶はマナーではない! 「ただいるだけの人」をつくらない戦術
- 死に直結する「この小さな情報」を見逃すな
- 求心力が高まる「全体最適」、不満が爆発する「部分最適」
- 「和を以て滅びる」ことなかれ
- 速く進みたければ1人で行け。遠くまで行きたければ皆で行け
- 「戦車出身者は、戦車戦闘の特色を出せ」
- 管理の5要素を踏まえて「ヌケ・モレを防ぐ」
- 自分が動くか、人を動かすか? 一部を動かし、他を休ませるか?
- 1秒もロスしない! 超機能的「整理術」
- 「立場をわきまえる」とは、権限を知り、めいっぱい使うことである
- CHAPTER6 絶対勝利の「情報収集・分析」ノウハウ
- ゲリラの奇襲に学ぶ、仕事を有利に進める法
- 絶対に勝って成果を上げたいなら、「弱点情報」をつかめ
- 戦略を立てる前に「環境」の特性を押さえよ
- ライバルの情報は、多角的に見ないと罠にかかる
- このちょっとした気配りが、莫大な消費者ニーズをつかむ秘訣
- 本音は「聴く」ことでしか引き出せない
- 自衛隊竜「話を正確に、聴く技術」
- 多角的インプットなくして、万全な作戦はつくれない
- 「なぜ」を5回繰り返すと、「売れた理由」を解明できる
- 成否を決める「重要情報」は、足裏で集める
- 「行きづまったら、まず動け!」スピード問題解決の鉄則
- アイデアの不足は、頭でなく、足でしか補えない
- ライバル社の偵察は、2段階でする
- CHAPTER7 「この先、何が起きても活躍できる」サバイバル術
- 「正早安楽」を実現するアイデアを出せる人こそ、生き残る人
- 「朝1分」ですべてのスピードが上がる
- 五感を刺激して、集中力を覚醒させる
- 血を流さないために、「敵の死命」を制する
- 丁寧なものごしは、武器となる
- 情報は、公開が原則。隠蔽のデメリットは大きすぎる
- なんでも話題にし、情報格差を低減することが、上司も部下も救う
- 意外にも、マニュアル化は最低限のリスク管理である
- 誰もが代役になれる組織は、最強
- 「瞬時に正解を出す力」
- 敵の裏をかく大胆な戦略立案テクニック
- 「戦力」を一気に投入するタイミングを見極めよ
自衛隊の「戦い9原則」
- (1) 目標 -- 達成すべき「目標・目的」を明確に方向づけ、それを追求する原則
- (2) 主導 -- 有利に戦うために先手を取り、主導権を得る原則
- (3) 集中 -- 戦いの重要ポイントに"敵に勝る戦力"を集中させる原則。分散は命取り。
- (4) 経済 -- ムダを排除し、使用する戦闘力を必要最小限にとどめる原則
- (5) 統一 -- 作戦の権限を1人と指揮官に与えて、「指揮系統を一元化」する原則。
- (6) 機動 -- 必要な時期と場所に部隊を"柔軟"に移動・配備させる原則。
- (7) 奇襲 -- 「敵が予期しない時期、場所、方法」で戦いを挑む原則。
- (8) 簡明 -- 戦場は錯覚と混乱をともなうので、「シンプル・明快」を追求する原則。
- (9) 保全 -- 敵から味方を守るため、情報収集などの防衛策で敵に奇襲させない原則。
CHAPTER1 情報の「伝え方」劇的改善ノウハウ
誤解の無い情報伝達は奇跡と思え
- 情報は誤解されるもの
- 人間が受け取る異常、主観や思い込みで情報が歪む
- だからこそ、情報の伝達には慎重な準備やルールが必要
第三者に伝言を頼む場合のTIPS
- 必ずメモを取ってもらう
- 要点だけを的確に伝える
- メモの内容を確認する
人に話を聞いてもらうための5つのポイント
- (1) 好意を示す
- (2) 相手の聞く準備が整うまで待つ
- (3) 人はそれぞれ価値観が異なるという前提を持つ
- (4) 誤解されて当然、理解されたら偶然という心構えを持つ
- (5) 真摯な関心を持つ
込み入った情報は対面で伝える
- 重要かつ繊細なニュアンスを含む連絡は対面で伝える
- メールや電話だけで済ませるのはハイリスク
報告は「できたこと」「できていないこと」を報告させる
- 「できていないこと」の報告を隠されるとハイリスク
- 「できていないこと」の報告を隠蔽したくなるような風土を作らない
知らないことは「知らない」と申告させる
- 部下の「知っていること/知らないこと」「できること/できないこと」は事前に把握しておく
- ムリやムダを防ぐことができる
- 小テストやインタビューなどを行う
- 「知らない」「できない」を申告しやすい雰囲気作りも重要
- サポートや教育などの配慮も必要
箇条書きで思考を整理
- 自衛隊の文書は箇条書きが基本
- 重要事項から順に書かれる
- 箇条書きの文は一文一意
メモの取り方のコツ
- 後々、自分がそれを人に伝えて教えることを前提にメモを取る
- メモする内容は受けた説明のキーワードを20%程度抑えておけばよい
ホウレンソウができない理由
- 自分の中で全容や問題点を把握していないから
- ホウレンソウをする為に考えをまとめる習慣を身に付ける
「どうしましょうか」は子供の相談
- 部下からの相談で「どうしましょうか?」という相談はさせてはいけない
- 「自分はこうするべきだと思うがどうか?」という提案を相談させる
- 「どうしましょうか?」は子供の相談
- 「こうしましょうか?」が大人の相談
失敗談で腹オチさせる
- 失敗談はリアルな具体例 + 共感されやすい
- 成功例は自慢に見えるので聞く側が白けやすい
- 失敗談だけで話を終わらせるとオチが無いので教訓にならない
- 失敗談 + 教訓で聞く側の納得感・腹オチにつながる
「教える」ことは納得させること
- 上っ面だけの知識を教えるのでなく、「何故そうするべきなのか」まで伝える必要がある
話を最後まで聞いてもらう為の5つのポイント
- (1) 笑える話をストックしておく
- (2) 相手の理解レベルに合わせて、難しいことを平易に話す
- (3) 意外性を取り入れる
- (4) 8割は熱く、2割はクールに
- (5) 話の内容は具体化する
理解度をチェックする為に逆質問する
- 説明した内容の理解度を確認するために質問されるのを待つのでなく、逆に質問する
- 逆質問されて相手が狼狽えるようではちゃんと理解できていない
- 説明される側も緊張感を維持できるメリットがある
質問無しの状態は情報を遮断しているのと同じである
- T/O
仕事を依頼する時の3原則
- (1) 望む結果を伝える
- どうやるのかという手順ではなく、「いつまでに、何をするのか」という結果のイメージを伝える
- (2) ガイドラインを設定する
- 最低限のルールや作業の優先順位、想定される障害などは事前に伝える
- (3) 使える資源はくまなく事前準備をして渡す
- ヒト・モノ・カネなどの利用可能リソースは事前に準備することで実行時のムダを無くす
一令一動
- 作業を確実に実行させるためには、1つの命令で1つの動作を行うようにしておく
- 同時にいくつもの動作を行おうとするとミスする確率が跳ね上がる
- 提示した1つの作業が終わらないうちは次の行動を決してさせない
周辺視
- 一点に焦点を合わせるのでなく、周辺(全体)を俯瞰的に把握する
- 車の運転をしている時のイメージ
CHAPTER2 目標「達成率」超アップノウハウ
必成目標と望成目標
- 必成目標 -- 最低限達成すべき最小目標
- 望成目標 -- 可能であれば達成したい最大目標
必成目標と望成目標に分ける理由
- 目標設定は重要
- とはいえ、目標設定が高すぎるとそもそも達成が困難
- 目標を達成できなければばヘコむし、やる前から心が折れることもある
- ↑の事態を避ける為に、最小目標と最大目標は分けて目標を立てる