ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか (冨山和彦)
書籍情報
- 著者:冨山和彦(著)
- 発行日:2024-10-10
- ISBN:9784140887288
- URL:https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000887282024.html
書籍目次
- はじめに シン・学問のすゝめ
- 序章 労働力消滅、ふたたび
- 10年前にも指摘していた人手不足の実態
- 迫りくる労働供給制約社会とホワイトカラーの人余り
- 付加価値労働生産性の大幅な押し上げしか道はない
- 「失われた30年」日本社会が選択したのは賃金よりも雇用
- デフレ的安定の代償として得たものとは......「停滞なる安定」の時代
- 「デフレ的安定」から「インフレ的均衡」へ変わっていけるか
- 低生産性だからこそ伸びしろは大きい ――「停滞なる不幸」は回避できる
- 第1章 グローバル企業は劇的に変わらざるを得ない
- グローバル産業の現状分析
- 今どき先進国企業がグローバル経済圏で稼ぐ選択肢
- グローバル経済圏でも高付加価値モデルでやっていける道筋とは?
- あらゆる産業で「ややこしさ」に日本の勝ち筋がある
- グローバル産業は雇用の量よりも質、グローバルクラスの質を目指せ
- 生成AIの破壊性と深まる苦悩
- 「漫然とホワイトカラー」はどのように淘汰されるか
- AI革命でホワイトカラーの仕事がブルシットジョブ化する
- グローバル産業におけるDX・CXの現状
- CXを実現するための「新憲法草案」
- Xの時代はアンラーンの時代
- 第2章 ローカル経済で確実に進む「人手不足クライシス」
- エッセンシャルワーカーとは何か
- これからの新たな「分厚い中産階級」創造に向けて
- エッセンシャルワーカーはすでに社会の大半を占めている
- 「逃げ恥」から見えてくるリアルな社会構成
- 人手不足の実態と労働運動大転換の必要性
- 職種別に労働需給の未来を読み解く
- 社会インフラ部門 ──道路維持は徐々に困難に
- 需要密度を維持するという解決法 ──コンパクト&ネットワーク
- 農業・水産業・食品部門 ──ブランディングに活路を見出せる
- きれいごとで農業の担い手は増えない ──さらば「やりがい搾取」産業
- 農地政策が抱える矛盾は人口減少でさらに深まる
- シン「食」産業の創造的再構築 ──「株式会社性悪説」から決別せよ
- 医療・社会福祉部門 ──ここでも付加価値労働生産性が決定的な課題に
- 株式会社的な仕組みを公共財領域で機能させる工夫
- ローカル経済の現状分析 ──新陳代謝は著しく停滞
- グローバルなローカル産業こそがこれからの基幹産業
- 中小企業の賃金問題、価格転嫁論だけに逃げるな
- ローカルとグローバルに序列はない
- 第3章 エッセンシャルワーカーを「アドバンスト」にする
- エッセンシャルワーカーをアドバンスト・エッセンシャルワーカーに
- 10年前は「全大学人の敵」だったが......
- ローカル経済圏で働く人々にとって高等教育機関は極めて重要
- 資格制度の充実も重要
- メインエンジンは経営者
- DXによる付加価値労働生産性向上は誰でも可能な時代
- まずは経営の解像度を上げること ──みちのりグループでは
- 経営者のトランスフォーメーションとCX、DXは三位一体
- ローカル型産業とDXの相性はいいのだが……
- 今どき人手不足倒産が働く人々をアドバンストにする理由
- 新陳代謝を阻む制度的要因を取り除け
- 最低賃金の引き上げはなぜ重要か
- 東京の一極集中が日本を豊かにしない理由
- 「昭和」が色濃く残っていることの問題
- 第4章 悩めるホワイトカラーとその予備軍への処方箋
- 根本的処方箋は自己トランスフォーメーション ──シン「実学のすゝめ」
- 「スキリング」と「リスキリング」 ──何が現代の実学か?
- 「基礎編」を学ぶ要諦
- ビジネスパースンとして必要な数理的言語能力
- リベラルアーツの本質
- 「応用編」を育む要諦
- リスキリングにまつわる誤解と問題点
- ゲームチェンジングゲームが求める真のリスキリングとは
- 「カフェテリア方式」リスキリングの問題点
- リスキリングは企業の責任か、個人の責任か
- 否応なく真剣にリスキリングを行った人たち
- ホワイトカラーの生き残り策 ──経営職かアドバンスト現場人材か
- まずは自らの「付加価値」力の自己検証から
- ホワイトカラー自問自答の方法
- 経営の最小単位は、自分自身の人生であるはず
- 20代、今どき「Gの世界」でも通用する力を身につける逆説的アプローチ
- 30代のキャリア戦略 ──WILLとCANとMUSTの観点から考える
- 新しい時代において従業員と企業がともにハッピーになるためには
- 中堅人材にもローカルシフトのムーブメントが始まりつつある
- フラットな感覚ならではの可能性
- 40代以上、能力やスキルをリアルに棚卸しできるか
- 第5章 日本再生への20の提言
- 国、組織、個人のレベルでの再生の要諦は何か
- (1) 歴史的な大転換期の認識を共有せよ
- (2) 豊かなローカル、強いグローバルの国を目指せ
- (3) 人口減少の危機的局面を国と社会の再生の梃子とせよ
- (4) シン列島改造論のすゝめ ──人口8000万人時代に「多極集住」で「密度の経済性」を実現できる国づくりを
- (5) あらゆるレベルで新陳代謝を加速せよ
- (6) 古来の伝統からつながる江戸の庶民の世界観、社会観、人間観を再評価せよ
- (7) 「複雑性」「ややこしさ」が勝負、シン基幹産業が何かを間違えるな
- (8) 昭和の身分制を破壊せよ
- (9) 昭和なホワイトカラー身分による中間搾取を排除せよ
- (10) シン「学問のすゝめ」 ──ローカル才能、グローバル才能それぞれに可能性をフル追求できる教育システムを
- (11) カイシャ共助型から社会共助型セーフティネットへ
- (12) 国も企業も付加価値労働生産性向上の一本勝負!
- (13) 人的資本の強化に向けて労働市場の改革を急げ
- (14) チープレーバー移入型ではない国際的な多様化を
- (15) アドバンスト現場人材の時代、シン「分厚い中間層」づくりを急げ
- (16) 労働所得と資産所得のリバランスを進めよ
- (17) 超長期的な人口戦略を遂行せよ
- (18) 為政者、リーダーは日本社会の変革特性を理解せよ
- (19) アンラーンとラーン、スキリングとリスキリングを国民運動へ
- (20) 青年はローカルをめざす──ローカル経済圏をサブスリー経済圏に!
- おわりに 「ややこしさ」に強い「両利きの国」への大転換を急げ
序章 労働力消滅、ふたたび
- 10年前(2014年前後?)に人手不足を指摘
- しかし、政策の効果は上がっていない
- ホワイトカラーは仕事を失う可能性が高い
- 都市部のオフィスでPCに向かって仕事をするビジネスパーソンの大半は不要になる
- 付加価値労働生産性
- 付加価値額(売上 - 外部費用 / 粗利)/ 労働量(人数 * ?)
- 付加価値労働生産性を上げるには、粗利を増やすか労働量を減らすしかない
- 日本ではIT化が進まなかった
- [MEMO]
- 具体的には?
- どういう業種の話か?
- 「IT化が進む」とはどういう状況を指しているか?
- ビッグデータ云々はここ最近の話なので「IT化が〜」には含まれない気がする
- 「失われた30年」→賃金ではなく雇用を守った
- [MEMO]
- 正社員の解雇規制は厳しいからそうならざるを得ないのでは
第1章 グローバル企業は劇的に変わらざるを得ない
グローバル産業の現状分析
- グローバル産業は軌道修正
- 電子機器はコンポーネント化が進み、人件費の安い海外にコスト面で勝てなくなった
- 自動車産業はまだ生き残っているが、いずれ電機産業と同じ道を辿る
日立やソニーは乗り越えた
- [MEMO] 具体例が無い
グローバル産業で付加価値労働生産性を高める方法
- (1) 圧倒的独占企業化
- (2) 他の企業が手を出さない複雑領域
- [MEMO]
- 複雑領域は基礎技術の積み重ねが必要なのだが
日本的経営
- 新卒一括採用、終身雇用制
- 同質的かつ限定されたメンバーで仕事をする
日本的経営は機動力と瞬発力がない
- 高付加価値を享受できる領域は移ろいやすい
- 常に状況に対応していく必要がある
- したがって、組織そのものの変化、新陳代謝も必要
- しかし、日本的経営(終身雇用、同一賃金、年功序列)では対応できない
- [MEMO]
- 概ね同意できるが、それは労働者の将来設計が困難になる
- エリート層はそれで良いかもしれないが大半のミドルレンジ以下の人材は対応できないだろう
- 結果的に強烈な格差社会、社会情勢の不安定を招きそう
- 企業の発展の為に労働者の雇用が不安定になるのは本末転倒である
- GEの毎年成績下位10%を切る施策とか好きそう
- これを実現するなら解雇規制は撤廃する必要があるだろう
日本企業は気付いてはいるが対応できていない
- 体質の転換、思考様式、行動様式の転換には至っていない
- [MEMO]
- 解雇規制が大きな障害
- 解雇されないのだから自分が変わる必要はない(下請けが変わればよい)という精神
- これ自体は状況がそうさせている面もある
本質的な企業変容、コーポレートトランスには時間がかかる
- 日立は15年、SONYは25年掛かったらしい
- [MEMO]
- そもそも変容しにくい強固な仕組みづくりを目指すのがこれまでの企業の在り方なのだから当然の話ではる
- 上場企業や大手企業の問題であり、中小や零細企業だと最初から機動力重視だと思うのだがどうなのだろうか
- 体力が無さ過ぎてお手上げかもしれない
第2章 ローカル経済で確実に進む「人手不足クライシス」
- TBW
第3章 エッセンシャルワーカーを「アドバンスト」にする
- TBW
第4章 悩めるホワイトカラーとその予備軍への処方箋
- TBW
第5章 日本再生への20の提言
- TBW