本質を見抜く「考え方」 (中西輝政)
書籍情報
- 著者:中西輝政(著)
- 発行日:2011-07-20
- ISBN:9784763160003
- URL:https://www.sunmark.co.jp/detail.php?csid=6000-3
書籍目次
- まえがき
- 第1章 考え始める技術
- 考え方01 「自分」とは何か
- 考え方02 「敵」をはっきりさせる
- 考え方03 「宙ぶらりん」に耐えること
- 考え方04 必ず「言葉」にしてみる
- 考え方05 自分なりの「仮説」を立てる
- 考え方06 とにかく一度「結論」を出す
- 考え方07 最初に得た「直感」を思い返す
- 考え方08 むずかしい話を「やさしく」言い直す
- 考え方09 「行動しながら」考える
- 考え方10 「動あれば反動あり」
- 考え方11 「3つのセオリー」を当てはめてみる
- 考え方12 問題を「3つの要素」に分ける
- 考え方13 「答え」より「考え方」の重要性を知る
- 第2章 考えを深める技術
- 考え方14 「民意」もあやまつ
- 考え方15 自分の頭の「ルーツ」を知る
- 考え方16 どんな情報も「歴史」に還元する
- 考え方17 問題の「外に」出てみる
- 考え方18 「よき異端」をめざす
- 考え方19 おもしろいと「感じる」ほうを選ぶ
- 考え方20 「逆説」を愛する心を持つ
- 考え方21 「迷い」は将来への投資ととらえる
- 考え方22 「粘り」と「潔さ」の両面を持つ
- 第3章 間違いを減らす技術
- 考え方23 「択一」により「共存」を意識する
- 考え方24 論理は「保険」と心得る
- 考え方25 「自分に都合のいい論理」を調達しない
- 考え方26 「正しいこと」と「効率のよさ」を混同しない
- 考え方27 「効率」と「精神」のバランスをとる
- 考え方28 効率を「量」ではなく「質」でとらえる
- 考え方29 「近代の終わり」を意識する
- 第4章 世の中を考える技術
- 考え方30 国単位ではなく「文明単位」で見る
- 考え方31 「どん底」から復活を考える
- 考え方32 世と人とは元来「うまくいかない」もの
- 考え方33 評価ではなく「事実」だけを見る
- 考え方34 「本文」を貫くことで社会貢献を考える
- 考え方35 天下国家も「自分の問題」としてとらえる
- 考え方36 国を知るには、まず「神話」を知ること
- 考え方37 日欧のエリートを「同じ土俵」に置かない
- 考え方38 「政府」と「国民」の違いを知る
- 第5章 疑問を抱く技術
- 考え方39 ふと浮かんだ「疑問」を封じ込めない
- 考え方40 誰も疑わない「美しい言葉」こそ疑ってみる
- 考え方41 数字や論理の「正しさ」に惑わされない
- 考え方42 「先に結論ありき」の議論に注意する
- 考え方43 「早く」見つけ、「遅く」行動する
- 考え方44 「全員一致」は、まず間違いと心得る
- 第6章 情報を考える技術
- 考え方45 変化を見るまえに「不変」を見る
- 考え方46 バラバラの「事実と数字」を見つめ直す
- 考え方47 「自分の絵」にして精度を高める
- 考え方48 「目的意識」を明確にする
- 考え方49 チェックには「別の頭」を使う
- 考え方50 機器は、まず「人心の変化」に現れる
- 考え方51 「予兆」を感じるアンテナを磨いておく
- 考え方52 「30年以上先」は、現在の延長で考えない
- 考え方53 「日本人」を明確に意識する
第1章 考え始める技術
考え方01 「自分」とは何か
- 自分を写す鏡が歪んでいると、全てが歪んで見える
- グローバル社会でこそ「日本とは」「日本人とは」「自分とは」という自己認識が必要
- 自画像、自己認識が曖昧なままでは国際社会の問題を考えることはできない
考え方02 「敵」をはっきりさせる
- 平和は大事だが全ての国と等しく付き合うことはできない
- 敵を知ることは己を知ることになる
- 敵に備えることで自分に欠けているものや弱みがはっきりする
- 脅威やリスクを見て見ぬ振りをし、対立を避け、誰とでも仲良くしようとするのは「滅びの哲学」でしかない
考え方03 「宙ぶらりん」に耐えること
- 人間は答えの出ないことに耐えるのが難しい生き物
- しかし、早まった結論はハイリスク
- 正しく判断する為に「宙ぶらりん」の状態に耐える訓練が必要
考え方04 必ず「言葉」にしてみる
- 「何となく」表現しているだけでは思考の道筋が明確にならない
- 「自分の言葉」を持たないこと = 言葉の貧弱さ
- [NOTE]
- うーん??
考え方05 自分なりの「仮説」を立てる
- 「定限命題」にすることでフワフワした思考に輪郭を与えることができる
- 「定限命題」とは「〜は〜である」「〜は〜ではない」と言った言い切りの形式
- まずは言い切ることで考えを明確化する
- わからない事でも仮説として言い切る
考え方06 とにかく一度「結論」を出す
- 仮説として結論を出し、それをアウトプットしておくと、後から見返して自分の結論の妥当性、考え方のクセを評価できる
- [NOTE]
- アウトプット重要というやつである
考え方07 最初に得た「直感」を思い返す
- 直感は思考過程をスキップして出力されるもので、ものごとの本質であることも多い
考え方08 むずかしい話を「やさしく」言い直す
- T/O
考え方09 「行動しながら」考える
- 動いてみると今まで気付かなかった問題点を発見しやすい
- 沈思黙考は「下手の考え休むに似たり」になりやすい
- 「考える」という文脈においては、行動とは言葉にすること
考え方10 「動あれば反動あり」
- ひとつの動きがある時は、その「反作用」とでも言うべき逆の動きが必ず起きる
- 物事には必ず裏があるので、逆方向から眺めてみることが大事
考え方11 「3つのセオリー」を当てはめてみる
- 3つのセオリー
- (1) 動あれば反動あり
- (2) 慣性の法則
- (3) 鹿威し
- (1) 動あれば反動あり
- 何かの動きには必ず逆の動きが起きる
- (2) 慣性の法則
- 大きな質量(比喩)が動く時は簡単には止まらず慣性で動き続けるもの
- 巨大なプロジェクトは簡単には止めることができないという話
- (3) 鹿威し
- 溜まった水がある一点を超えた時に全て転換が起きる
- 負債や歪みが溜まってある時、一斉に状況が反転するというような
考え方12 問題を「3つの要素」に分ける
- 多少無理矢理にでも3つに分けるとなんか分かりやすくなるという話
考え方13 「答え」より「考え方」の重要性を知る
- 答えだけを求めても考える力は身に付かない
- 問題に直面したらまずは自分の頭で考える習慣を身に付けるべき
第2章 考えを深める技術
考え方14 「民意」もあやまつ
- 自分含む、大多数の一般的な意見に流されると判断を謝る
- 多数派を「錦の御旗」にした時、政治は乱れる
- 思考停止した意思決定は後悔が多くなる
- 民意は所詮素人の意見の集合であり、派手に間違えることがある
- 衆愚に注意が必要
- 民意絶対主義は危険であり誤り
- [NOTE]
- 特に異論は無いが、「民意」を無視・退けた意思決定をした場合の事後評価・責任追及はどうするべきだろうか?
考え方15 自分の頭の「ルーツ」を知る
- 自分が好きだったものの中に自分の考えの原点がある
- 自分の頭で考える以上、自分の頭の素地やルーツが見識や考え方に影響を与えることは自覚しておかなくてはならない
考え方16 どんな情報も「歴史」に還元する
- 1つの時代しか見ていないと考えの妥当性が分からない
- 歴史は常に繰り返されるものなので、過去の歴史に学ぶことが物事の真偽を判断することに役立つ
考え方17 問題の「外に」出てみる
- 問題を考える時、自分の立場に立って考えてばかりでは新しい視点は生まれない
- 問題の中から一歩出て、客観的に問題を見ることで様々な視点からの考え方が生まれてくる
- 他人が自分を見ている視線を学ぶことは二倍の収穫をもたらす
- 自分の立場で考えるだけでは新しい視点や考えも生まれない
- 当面の問題の中からあえて一歩出て、外に立って大局的にもう一度問題を眺めてみることも大事
考え方18 「よき異端」をめざす
- あえて異端の考えを取り入れることで考えに深みが出る
- 逆に自分の考えが「主流」に近いだけで正しいと思うのは錯覚
- そのような錯覚に陥らないよう考えを反芻する習慣を付ける
- 異端の哲学:
- 「自分の考えは本当に正しいのだろうか」という不安を持つからこそ、常に自分の考えを反芻し検証すること
- 欧米人の精神の二重構造:
- 欧米人は内心では絶対に実現しないと思っていることでも、口では理想論を熱く語る習性がある
- [NOTE] 上っ面だけでも理想を説かないと不道徳だというキリスト教由来の価値観がそうさせるのだろうか
考え方19 おもしろいと「感じる」ほうを選ぶ
- 様々な紆余曲折があっても、本来の自分の完成は常に正しい判断を下す
- 周りに囚われず、自分自身を見つめる「目」を大切にする
- 進むべき道に迷ったら「自分が面白い」と感じる方を選ぶ
考え方20 「逆説」を愛する心を持つ
- 逆説=パラドックス
- 一見無秩序で不可解な世界に立ち向かってこそ考える力が養われる
- パラドックスを受け容れると深い真理に行き着く
考え方21 「迷い」は将来への投資ととらえる
- 人間は自分の中に2つの「相反するもの」を持ち、常に自分に問い掛ける部分を持たなくてはならない
- その中で、悩み、惑い、試行錯誤することが考えを広げ深める訓練になる
考え方22 「粘り」と「潔さ」の両面を持つ
- 相反する要素を併せ持つことで「悩む」や「宙ぶらりん」の状態を楽しむ境地が拓けてくる