「性格が悪い」とはどういうことか ——ダークサイドの心理学 (小塩真司)
書籍情報
- 著者:小塩真司(著)
- 発行日:2024-07-08
- ISBN:9784480076311
- URL:https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480076311/
書籍目次
- 序章
- 名前をつけられることで注目される
- 面接でその人の将来を想像する
- 面接での直観は信用できるのか
- ダークな性格は外在化問題に結びつきやすい
- そもそも「性格」とは何なのか
- 良い性格と悪い性格は合わせ鏡
- 心理学の中の良し悪しの研究
- ダークな性格の測定
- ダーク・トライアド研究の広がり
- 第1章 ダークな性格とはどういうものか
- 1 四つの典型的なダークな性格
- ダークな性格を表現する言葉
- 2 マキャベリズムとサイコパシー
- マキャベリアニズムの発見
- サイコパシーという心理特性
- 典型的なサイコパスとは
- サイコパシーの測定ツール
- 3 ナルシシズムとサディズム
- ナルシシズムという言葉の由来
- 病理としてのナルシシズム
- 過敏なナルシシズムの側面
- ナルシシズムの測定方法
- サディズムという言葉の由来
- 測定されたサディズムの特徴
- 4 五つ目の性格スパイトと、ダークさの中心
- 五つ目のダークな性格、スパイトとは何か
- ダークな性格の中心
- 1 四つの典型的なダークな性格
- 第2章 ダークな性格とリーダーシップ・仕事・社会的成功
- 1 ダークな性格とリーダーシップ
- ダークな性格の代表的な悪徳経営者
- カリスマ的リーダーに多いダークな性格
- カリスマ的リーダーの代表、ジョブズとマスク
- 2 職場の中のダークな性格
- 企業の中でよく見られるサイコパシーな人々
- 組織での心理的安全性の重要さ
- 職場の逸脱行動とはどういうものか
- ダークな性格と非生産的職務行動
- サイコパシー要素がもつ意味
- 3 ダークな性格が得意なこと
- 学部専攻に見られるダークな性格の特徴
- ギャンブルとダークな性格
- 他者操作が役立つ仕事
- 4 ダークな性格は、社会的成功につながるのか
- ダークな性格のどんなところが成功につながるのか
- ダーク・トライアドと職場の雰囲気
- 1 ダークな性格とリーダーシップ
- 第3章 身近な人間関係の中のダークな性格
- 1 恋愛関係とダークな性格
- 恋愛スタイルの六タイプ
- 見知らぬ人に「今晩、一緒に過ごしませんか?」と言われたら
- ナンパとダークな性格の関連
- 2 ダークな性格の生活スタイル
- 夜型で街を好む性格
- 情緒的な結びつきのない性的関係を好む
- マッチングアプリとの親和性
- マッチングアプリで荒らし行為をする人々
- 略奪愛とダークな性格の高さ
- カップルの満足度とダークな性格
- 1 恋愛関係とダークな性格
- 第4章 ダークな人物の内面はどうなっているのか
- 1 ダークな性格の心理特性
- 性格の構造
- ビッグ・ファイブ・パーソナリティ
- 2 HEXACOモデルの登場
- 六番目のH因子とは何か?
- 心理学の歴史の中の「気質」
- 3 ダークな性格と自尊感情
- 「自己肯定感」でなく、自尊感情
- ダークな性格と自尊感情の不安定さ
- 潜在的自尊感情
- 4 ダークな性格の持ち主は、自己概念が明確でないのか
- 自己概念の明確さ
- オンラインでの自分の出し方
- 自分の姿をモニタリングする
- 5 共感性とダークな性格
- 「認知的共感性」と「情緒的共感性」
- ダークな性格と抑うつ・不安
- 過敏なダーク・トライアド
- 孤立すると何が起きるのか
- 1 ダークな性格の心理特性
- 第5章 ダークな性格は遺伝するのか
- 1 性格は、遺伝か環境か
- 優生学の広がり
- 心理学における、環境への注目
- 再び遺伝への注目
- 2 性格特性は連続的なものである
- 性格特性の遺伝とは
- 親から子にどれくらい伝わるのか
- 集団と個別ケース
- 3 性格に与える環境の影響
- 環境と言ったとき、何をイメージするか
- 双子の研究でわかること
- ダークな性格の遺伝率
- 育てられ方で差が出るのか
- 予測不可能性はダークな性格を助長する
- ダークな性格と生活史戦略
- 4 自分の中にダークな性格を見つけたら
- 自分の中にダークさを見つけた脳科学者
- 性格の安定性とは何か
- ダークな性格の安定性
- 1 性格は、遺伝か環境か
- 第6章 ダークさとは何か
- 1「望ましい性格、望ましくない性格」とは何なのか
- 望ましい心理特性
- 注目を集めるグリット(やりぬく力)
- 自尊感情万能論への批判
- 自尊感情だけ伸ばすのは難しい
- 2 長所と短所は切り離せない
- ギフテッド教育の難しさ
- 心理特性のネットワーク
- 行動の動機
- 七つの大罪
- 3 社会の中でのダークな性格
- ステータス・ゲームからは逃れられない
- 社会の中での攻撃
- 長期的な社会の変化
- 平和はいつまで続くのか
- ダークな性格が残る理由
- 最後に
- 1「望ましい性格、望ましくない性格」とは何なのか
- あとがき
第1章 ダークな性格とはどういうものか
4つの典型的なダークな性格
- (1) マキャベリアニズム
- (2) サイコパシー
- (3) ナルシシズム
- (4) サディズム
マキャベリアニズムの特徴
- (1) 対人関係における感情の欠如
- (2) 従来からある道徳への無関心
- (3) 重大な精神病理を持たない
- (4) イデオロギーへのコミットメントへの低さ
マキャベリアニズムの特徴
- 「目的は手段を正当化する」という思考
- 社会的なルールを軽視、戦略的に他者を利用、操作しようとする
- 斜に構えた態度で世界を見る
サイコパシーとは
- サイコパスは人物、サイコパシーは心理的特性
- サイコパスな人物の心理的特性が「サイコパシー」
サイコパスの特徴
- WIP
ナルシシズムの特徴
- WIP
サディズムの特徴
- 他者に対して残酷で攻撃的
- 他者に対する卑下的な態度
- 辛辣で敵対的な態度
- 他者への共感性の欠如
5つめのダークな性格「スパイト」
- 相手に報復する為なら自分自身の犠牲も厭わない性質
- 自分が不利になるとわかっていても相手に一矢報いないと気が済まない好戦的、執着的気質
- 自分が損してでも他人の足を引っ張りたい気質
- [MEMO]
- 本当に関わりたくない人格としか言いようがない
ダークな性格の中心要素
- WIP
第5章 ダークな性格は遺伝するのか
性格は遺伝か環境か
- 優生学から行動主義、行動遺伝学へ
- 性格は概ね遺伝要因が強い
性格特性は連続的なものである
- 特定の1つの遺伝子が1つの心理特性と直接対応するわけではない
- 複数の遺伝子が複雑な相互作用をした上で最終的な性格として現れる
親から子への遺伝
- 身長の遺伝率は80%
- ただし、実際の子供の身長は22%程度の発現
- バラツキが大きいのは「遺伝子」は子に伝わるが、その因子となる遺伝子の比率はバラつくため
- 更に突然変異なども起きるので確実に伝わるわけではない
性格に与える環境の影響
- 環境という言葉もグラデーションがある(年齢や期間などなど)
- インパクトと継続性が重視される
ダークな性格の遺伝率
- ナルシシズムとサイコパシーは6割前後遺伝する
- マキャベリズムは3割程度
- 遺伝が性格に影響を与えることはそれなりに確か
- [MEMO]
- 親の性格を引き継いだ子が産まれることは特に疑問はない
予測不可能性が高い環境はダークな性格を助長する
- 世界が予測不能で何が起きるか分からない場合、できるだけ他人より速く・多く利益を獲得する方が生き残れる
- [MEMO]
- 荒廃した世界ではお人好しは死ぬが、残酷で他人に共感する能力が低く、エゴイスティックな人間は生き残りやすい
- その子供もそうした性質を受け継ぎ、強化していくことになる
自分の中にダークな性格を見つけたら
- 自分がサイコパスであることを発見した研究者を例に挙げて、意思の力で何とかしろと説く
- [MEMO]
- まぁ、それはそうなんだけども