会社を変える分析の力(河本薫)
書籍情報
書籍目次
- はじめに
- 第1章 データ分析に関する勘違い
- 1 データ分析の主役
- 2 分析の価値
- 3 モデルは所詮プラモデル
- 4 ビッグデータとは何か?
- 第2章 データ分析でビジネスを変える力
- 1 「分析力」だけではビジネスを変えられない
- 2 見つける力(問題発見力)
- 3 解く力(いわゆる分析力)
- 4 使わせる力(実行力)
- 第3章 分析力を向上するための流儀
- 1 四つの問いを自問自答してみる
- 2 正しい心構えを持つ
- 3 役立つことに貪欲になる
- 4 良い習慣をつける ――分析者九ヵ条
- 第4章 分析プロフェッショナルへの道
- 1 分析プロフェッショナルとは?
- 2 分析プロフェッショナルへの道
- 3 分析プロフェッショナルという職業の魅力
- おわりに
第1章 データ分析に関する勘違い
データ分析とは
ダメなデータ分析(数字遊び)
- 問題解明の意識なくデータ収集や数値計算をすること
- ITや分析手法をどんなに揃えても、データから問題を解明するプロセスを構築する能力や意識が無ければ無意味な数字遊びになってしまう
データ分析を勘違いしている人に見られる特徴
- (1) データ分析=数値計算だと認識している
- (2) 手段が目的化している
数学力がなくても分析はできる
- 今は分析関数やツールは製品として流通しているので基本的にそれらを使えばよい(Excelでもよい)
- 分析を実行する数学的能力より、どんな分析をするかを考える構想力の方が重要になっている
- ただし、各種分析手法の意味合いを解釈できる程度の基礎学力と分析結果を定量的に洞察できる程度の数学力は必要
- [NOTE] 結局必要なんじゃないか
分析の価値
- 高度な分析手法や大規模なデータを用いているかに注目する者は3流
- 分析の価値とは、
意思決定への寄与度 × 意思決定の重要性
- データ分析の成果は、報告書の厚みや分析手法の高度さ、データの規模ではない。何が分かったか、それは意思決定にどう役立つのかに尽きる
データ分析が無駄になるケース
- (1) 費用対効果の問題
- データ分析で利益が上がることは予測できたが、その為の投資額が利益を上回ってしまう場合
- [NOTE] まぁ仕方ないのでは
- (2) 心理的な問題
- 従来の経験と直感ベースに基づく意思決定スタイルを変えることへの心理的抵抗感によって分析結果が黙殺されるなど
ダメな意思決定者の特徴
- (1) 不確実性の軽視
- (1-1) データ分析によって将来を全て予測できると信じている者。データ分析はそこまで万能ではない。
- (1-2) 不確実性は理解しつつも、意思決定で楽をしたい/責任を負いたくないなどの理由で、分析者に断言してもらいたがる者
- (2) 分析への過剰な期待
- 意思決定に必要な全てな情報が入手できることを期待してしまう
- データ分析で入手できるのは意思決定に必要な情報の一部でしかない
- (3) 結果への事前期待
- データ分析する前から結果に強いバイアスを持つ
- バイアスに反する結果が得られた場合はそれを無視・軽視する
分析モデルとは
- 現実の世界をデータ分析で扱えるよう簡略化したもの
- 分析モデルは簡略化のために現実の世界から何かしらの要素を削っている
- 分析モデルがどのような前提に立っているか(何を削っているか)を常に念頭において分析結果を解釈する必要がある
優れた分析モデル
- 現実の問題をよく再現したモデル
- ただし、分析モデルをどんなに作り込んでも現実を完全に再現できるわけではない
- 分析モデルとは例えるならプラモデルのようなものであり、どれだけ手を掛けても本物(現実)とは大きく異なるものになる
機械学習について
- 機械学習とはデータから知識を導出するプロセスをコンピュータに任せる手法
- 機械学習では分析モデルが自動的に生成される
- 機械学習を用いて分析する場合でも、ブラックボックス化したり盲信したりせず、分析モデルの意味するところを理解するよう努めるべき
ビッグデータについて
- ビッグデータの本質は、これまで部分計測しかできなかった領域において全数計測することが可能になったこと
- 全数計測が可能になったことで、これまでデータ分析では「因果関係」を探求していた領域が「相関関係」の探求に変化し、より精度の高い分析が可能になった
ビッグデータ活用が上手くいかないケース
- (1) 必要なデータ全て揃っていない
- 自社で保有しているデータだけでは意味のある分析ができないパターン
- (2) 説明責任を果たしにくい
- ビッグデータ分析は因果関係がわかりにくいか、あるいは全くわからない
- 意思決定の理由を説明できず、施策が通らないパターン
- (3) ビッグデータは打出の小槌ではない
- 大規模なデータを集めてもそこから自動的にイノベーションが生まれるわけではない
ビッグデータの弊害
- データは大規模でなければいけないという強迫観念めいた偏見が生じている
- データのサイズがデータの価値を決めるわけではない
- 小さなデータにも価値ある情報は含まれている
第2章 データ分析でビジネスを変える力
データ分析でビジネスを変えるために必要になる力
- (1) データ分析でビジネスを変える機会を見つける力
- (2) データ分析で問題を解く力
- (3) データ分析によるソリューションを実際のビジネスに使わせる力
第3章 分析力を向上するための流儀
4つの問い
- (1) その数字にどこまで責任を取れるか?
- (2) その数字から何が分かったのか?
- (3) 意思決定にどのように使えるのか?
- (4) ビジネスにどれぐらい役に立ったのか?
分析者のタイプ
正しい心構え
分析者九ヶ条
- (1) ビジネスの現場に出よう、ビジネス担当者とコミュニケーションしよう
- (2) 整理整頓を心がけよう
- (3) なぜ? なぜ? なぜ?
- (4) データをビジュアル化しよう
- (5) 他人のデータを疑おう
- (6) Simple is Best
- (7) ざっくり計算
- (8) 文章を書こう
- (9) うまくいかなければ、目的に立ち戻ろう
第4章 分析プロフェッショナルへの道
分析プロフェッショナルとは