「正義」を叫ぶ者こそ疑え(宮崎学)
書籍情報
- 著者:宮崎学
- 発行日:2002-04-18
- ISBN:9784478941966
書籍目次
- 序章 ニューヨークの空は美しかった。
- 同時多発テロ。映像は世界中の人の脳に焼きついた。
- かなぐり捨てられた人権、そしてアメリカ的良心。
- なぜ民衆はアメリカを支持しないのか。
- 自衛隊はまたも日陰の身。護憲・改憲勢力ともに存在理由を失った。
- 「これはパールハーバーだ」はアジアとアメリカでは意味が違う。
- アメリカは国家利益、政府の利益のためには自国民も犠牲にする。
- 戦争を知らず、ルールを破り続けてきたアメリカ。
- 「知っていてやらせた」ブッシュと小泉の共通項。
- 微妙に絡む野中と小泉。
- アフガニスタンは牧歌的な国だった。
- イスラムベルトの反応を過小評価する日本。
- アフガニスタンはカンボジアの再現となる。
- 「こんなビル、どうやって壊せばいいんだ?」よみがえる老宮大工の言葉。
- 第1章 正義とは人殺しの正当化である。
- 時代ごとに「正義」は顔を変える。
- それで儲けるのは誰か、を注視せよ。
- 世論が変われば正義も変わる。
- 正義は普遍を装う、ゆえに人は人を殺す。
- 新聞は広告の包み紙と化した。
- 「人間は間違えるもの」という当たり前な感覚の喪失。
- ワイドショーの報道を自分の意見と思い込む。
- 自分がない現代人が多数派を支える。
- 「少数派の正義」の多くは抵抗する自らに酔いしれている。
- 赤旗を振り、インターナショナルを歌うこと。
- オウムへの対応に見る正義と不正義。
- 正義を信ずる人間は、社会は理屈で割り切れると考える。
- 雰囲気に異端が排除される社会は息苦しい。
- 学校は単一な評価しか認めなくなった。
- 「みんな同じでなければいけない」という清潔な均質社会の危険。
- 「家庭」は「生きる」ための共同体でなくなった。
- 新興住宅地の清潔さが否定しているもの。
- 人間の自然な営みの肯定を!
- 第2章 組織と正義は共存しうるか。
- 組織には、思想と無関係の力学が働く。
- 反権力組織内部の権力構造は、いかにして生まれるか。
- 組織をつくった途端、人は自由でなくなる。
- 組織とは権力者も疎外する。
- 山一証券は大企業となって判断を誤った。
- いやらしいやつほど出世する。
- 組織を動かす面白さは自分を見失わせる。
- どんなことが起こったらやめるか、を心に刻んでおけ。
- 目標達成の唯一の組織はない。
- 立ち止まる勇気を。
- 電脳突破党が時限政党であったわけ。
- 第3章 政治家は正義概念だけを利用する。
- ODAは、そのまま金である。
- 盗聴法の裏の目的である驚くべき利権の正体。
- 政治が変わろうとしているから、盗聴法が必要になったのだ。
- 北朝鮮への援助は利権がらみでスッタモンダした。
- 国民の10%弱の得票で政治は牛耳れる。
- 「構造改革」は都合のいいお題目と知れ。
- 自民の改革について白川勝彦と語った。
- 投票率が90%を超える国は相当アブナイ。
- 時代についていけない政治では経済はコントロールできない。
- 官僚と政治家の関係は、警察とやくざの関係にそっくりだ。
- 廊下とんびと権力とセレモニー。
- 自公連立の意味するもの。
- 巨大な組織の巨大な金が生むさまざまな利権。
- 情報開示は政治の琴線に触れる。
- 第4章 宗教的正義に熱狂する人々。
- 宗派と党派の共通点。
- 今の新々宗教とかつての労組青婦部の若者たちは似ている。
- オウムを信じた風俗経営者。
- かつて見たことがある殺人でタガが外れる構造。
- 安田弁護士は国家の面子のために逮捕された。
- 日本的いい加減さの中での宗教のよさ。
- 北朝鮮という儒教国家の実験。
- 人とのつながりを求めて新宗教は起こる。
- 金と権威を持ち出す宗教はインチキだ。
- 第5章 民族と国家の嘘
- 政治家が「国を守る」と言い出したら気をつけろ。
- 観念としての民族、利権としての国家。
- 普遍性を持たない「人権」。
- もはや国家という枠組みには意味がない。
- 石原三国人発言の意味するもの。
- 生きるための民族の対立は健康的である。
- 本来の民族主義者は、政治屋民族主義とは違う。
- 北方領土は「いくら?」と聞け。
- ついでだから言っておく。軍隊は国民を守らない。
- 国民国家には文句言う権利と逃げ出す自由が保障されなければならない。
- 第6章 現実からの発想、取り組みへ
- 野中は流されることの怖さを知っている。
- 米メディアの攻撃からキングメーカーへ。それでも野中総理待望論。
- 解放同盟に見るイデオロギーと党派の影響。
- 小説を勝手に解釈し批判する愚。
- 囲い込みの道具にされた演劇。
- 傲慢な党派は差別から逃れる道を一つしか許さない。
- 党派は差別撤廃よりも運動を囲い込むことが目的。
- 「清く正しく」の弊害を知れ。
- 共同体の絆は被差別部落の中にこそある。
- 路地に生きる人間の在り方を見失ってしまった中上健次。
- 蛇足としての「正義」との付き合い方。
- 熱狂への懐疑 あとがきにかえて