宗教に関するチェックリスト
診断項目
A 神について
- (1)神の存在を信じる(+2)
- (2)神は死んだ」(ニーチェ)と思う(+1)
- (3)神とは人間が言葉を使って発明したもので、実在するものではない(-2)
- (4)宇宙や全生物を創造した神が存在するはずである(+2)
- (5)宇宙はある時「ビッグバン」によって誕生し、膨張し、進化して今のようになった。そこに「創造主」としての神を考える必要はない(-1)
- (6)神は唯一でなければならない(+1)
- (7)神は熱心に祈って頼めば願いを叶えてくれる(ご利益がある)(+1)
- (8)神は熱心に祈ってご利益があるとは思えないが、祈らないよりは祈った方が安心できる(-1)
- (9)悪いことをすれば、いつか神に罰せられる(+1)
- (10)神は人間を無限に愛してくれる存在である(+2)
- (11)神や仏は人間を救済してくれる存在である(+3)
B 霊魂の不滅・死後の世界の存在
- (1)自分の死後も霊魂は存在する。そして霊魂は不滅である。(+3)
- (2)体が死んだあとに残る霊魂というものは考えられない。だからそれが不滅だということも理解できない。(-2)
- (3)脳が死ねば身体も死ぬ。そして意識もなくなる。自分というものは完全に消滅する。(-3)
- (4)死後の世界(自分の霊魂が行く世界)が存在する。(+3)
- (5)輪廻転生ということはあると思う。(+3)
- (6)死んで地獄に堕ちるといわれると恐ろしい。(+2)
- (7)先祖の霊や誰かの霊が祟りをするということはあると思う。(+3)
C 解脱・自己救済・出家指向
- (1)人間は修行すれば解脱できる(悟りを開くことができる)。(+1)
- (2)修行して解脱するためにはすべてを捨てて出家する必要がある。(+1)
- (3)家族はわずらわしい。家族を離れて生きたいと思うことがある。(+2)
- (4)家族には自分の気持ちや悩みがわかってもらえない。(+2)
- (5)家族よりもっと大事なものがあるかもしれない。それが見つかれば、そのためには家族を捨てることもやむをえない。(+3)
D 帰依・信仰
- (1)尊敬し、心服することができる人を見つけて、その人についていきたい(+3)
- (2)能力、実績などいろんな点で評価すべき人、感心する人はいるが、誰かに心酔したことはない(-3)
- (3)人間は誰か信じる人、帰依する人をもたなければ生きていけない。(+2)
- (4)人間は人間を超える存在、たとえば神や仏のような存在にすがらなければ生きていけない。(+2)
- (5)人間は人間だけで生きていけるし、またそうするしかない。(-2)
E アイデンティティや人生の目的をめぐる不安
- (1)自分は(あるいは人間は)何のために生きているのだろうかと真剣に悩んだことがある。また、今も悩んでいる。(+2)
- (2)自分が何者であるかわからなくなって不安になる(+3)
- (3)自分が何者であるかを確かめるために、機会があれば宗教や自己啓発セミナーのようなものをのぞいてみたい(+3)
- (4)自分のダメなところ、足りないところはわかるし、不安も感じるので、何とかしたいと考えている(+1)
- (5)人生の目的がわからない(+3)
- (6)人生の目的は何か、といったことは考えたこともない。自分がうまく(あるいは、よりよく)生きようとするだけ(-2)
- (7)人間は、生まれてきた以上、できるだけ長く生きようとがんばって、最後は死ぬだけ(-2)
- (8)人生の目的は、成功して苦労・苦痛の少ない生活を送ることである(-1)
- (9)いくら成功し、地位や富を得ても、それではみたされないものが残るのではないか(+1)
F 超能力・オカルト
- (1)(自分自身はともかく)超能力というものは存在すると思う。また超能力をもった人はいると思う。(+3)
- (2)自分の隠れた能力(超能力のようなもの)を開発し、高めるために修行やトレーニングをしてみたい。(+3)
- (3)スプーン曲げ、透視、念力でものを動かすこと、予言、空中浮揚などを(テレビその他で)見ると、本当にそういうことができるのだと思う。(+3)
- (4)超能力、超常現象などのほとんどはトリックがあるもので、インチキだと思う。(-3)
- (5)病気は精神的な力や「気」といった未知のエネルギーやパワーによって治せると思う。(+3)
- (6)不治の病にかかった時、ガンなどで助からないと宣告された時は、宗教にも頼ってみたい。(+2)
- (7)霊能によって病気が治ったという例を知っている(+2)
- (8)幽霊、ひとだまの類を実際に見たことがある(+2)
- (9)幽霊、ひとだまなどを自分では見たことがないが、人から見たという話を聞くと、そういうものは存在すると思う(+2)
- (10)(恐山のいたこ=巫女のような)霊媒には、本当に死んだ人の霊魂を呼び出す力があると思う(+2)
- (11)神霊が人間に乗り移る「神憑り」ということは本当にあると思う(+3)
- (12)先祖の霊が成仏できなくて祟りをしている、などと言われると怖くなる(+3)
- (13)「これを買うといいことがある(幸せになる)、買わなければ悪いことがある(不幸になる)」と言われると、買ったほうがいいのではないかと思う(+2)
- (14)占いに興味がある(占い師、易者などに見てもらったことがある)(+2)
- (15)多くの報告や証拠がある以上、UFOは存在すると思う。それに乗って地球にやってきた宇宙人もいるに違いない(+2)
- (16)人間以上の知的生物が宇宙のどこかに存在する可能性はゼロではないが、今のところ確かな証拠もないようだ(-1)
- (17)怪談を聞くと本当に怖くなる(+2)
- (18)怪談、怪奇小説を読むと面白い。しかしそこに書いていることが実際に起こったとは思わない。すべて作り話だ(-3)
G 人間と世界の変革・終末論
- (1)人間はますます堕落して悪くなっていく(+1)
- (2)近い将来に、全面核戦争、巨大隕石の落下、彗星との衝突といった破局がやってきて、人類は滅亡すると思う(+2)
- (3)今の世の中は間違いだらけで最悪だと思う(+2)
- (4)いつの時代も間違ったことやバカなことは多い。少しも驚くに足りないし、絶望する必要もない(-3)
- (5)間違った世の中を良くするには、制度を改革したりするだけではダメで、人間の意識そのものを根本から変えなければならない。その意味で真に有効なのは宗教だけである(+3)
- (6)人間(の精神)を改造するといったことはできるはずがない (+2)
- (7)正しいことを教え、正しく考えるようにするためには、マインドコントロールもやむをえない。それによって結局その人自身が救われるのだから(+2)
- (8)過激派の暴力的なやり方は悪いが、革命を目指す純粋な気持ちは理解できる(+2)
- (9)すべてを革命運動に捧げている人を見ると、自分はとても真似ができないと思って尊敬してしまう(+2)
- (10)((9)のような人を見ると)バカじゃないかと思う(-3)
- (11)正義のために戦うのは素晴らしいことだと思う(+1)
- (12)自分だけの小さな生活を守るよりも、人類全体のために自分を捧げたい(+2)
- (13)どんな立派なことであれ、自分を犠牲にすることはごめんだ(-3)
- (14)社会を正しい方向に変えるためには、それに抵抗する人を排除、抑圧することもやむをえない(+3)
- (15)よいこと、正しいことなら他人に押し付けてもよい。そうすることがその人のためにもなるのだから(+3)
- (16)悪魔に支配されているこの世はいっそ滅びた方がよいと思うことがある(+3)
- (17)最後の審判とか最終戦争(ハルマゲドン)とかは、いつかやってくると思う(+2)
- (18)いつか全ての悪が一掃されて、この地上にも楽園が到来すると思う(+1)
H 宗教観・宗教法人法
- (1)葬式には、信仰とは関係なく何らかの宗教的儀式が必要である(-2)
- (2)信仰がないのに、冠婚葬祭に宗教的儀式だけを行うのはバカげている(+1)
- (3)教会で挙式するのはカッコイイが、牧師、神父のお説教には閉口する(-2)
- (4)お経はわけがわからない呪文のようなものだから、葬式の時などには有難みがあっていい(-2)
- (5)信教の自由があるから、カルトでも何でも、その信仰は尊重されるべきである(+2)
- (6)カルトなどいかがわしい新興宗教はダメだが、本来の立派な宗教はよいものだ(+3)
- (7)カルトを信じたい人には勝手に信じさせておけばよい。ただし、軽蔑するし、犯罪に関与した場合は許さない(-3)
- (8)国家は宗教法人を認定し、その活動を監視し、正しい宗教活動をするよう規制するべきである(+1)
- (9)宗教もサービス産業の一種であるから、基本的には市場に任せておけばよい。宗教法人として特別扱いする必要はない。犯罪行為があれば法によって罰すればよい(-3)
- (10)日本人は無宗教である(+1)
- (11)日本人は多くの宗教を用途に応じて使い分けている(-3)
- (12)キリスト教は愛の宗教であるから信用できる。カルトのように反社会的なものではないと思う(+2)
- (13)およそ戒律のない日本の仏教のようなものはもはや宗教とはいえない(+1)
- (14)ユダヤ教やイスラム教は排他的・攻撃的で恐ろしいものである(-2)
- (15)これからは物質的幸福よりも「こころ」の問題が大事で、その意味では「宗教の時代」であると思う(+2)
- (16)宗教は個人が抱えている問題を実際に解決してくれるものではない。これからはますます宗教離れが進むだろう(-2)
- (17)宗教は道徳の根幹をなすものだから、人々の信仰心が薄れ、宗教離れが進むことは嘆かわしい(+1)
- (18)学校でも何らかの宗教教育と道徳教育は必要である(+1)
診断
点数+101〜+138:重度宗教人間
宗教なしには生きていけない。キリスト教系の宗教または新興宗教の熱心な信者である(将来そうなる)。 自殺することがあるとすれば、宗教的信念や教祖の命令に従ってする可能性がある(自分では殉教と思う)。 同様にして殺人を犯すこともありうる。霊感商法などの加害者になる。 要するに、信仰の名において何でもする。
点数+51〜+100:軽度宗教人間
宗教に対する興味、需要がかなり強く、チャンスがあれば入信する可能性がある。 とくに病気、生活の破綻などに陥った時には宗教にすがる傾向が強い。 さもなければ自殺する確率も比較的高い。 霊感商法などの被害者になりやすい。
点数0〜+50:普通の人
宗教に対する強固な「免疫」はないが、何事もなければ宗教とは無縁のまま生きていける。 状況次第では入信することもありうるが、熱心な信者になることはない。 カルトに入信することはまずない。 拘束の厳しくない既成宗教となら、普通の生活をしながら、ほどほどにつきあっていくことができる。 冠婚葬祭は世間並みに行い、その際には世間並みに宗教を利用する。
点数-57〜0:脱宗教人間
宗教を一切受け付けない。 信念をもって宗教を遠ざけて生きていくことができる。 ただし、生活に失敗し、重大な危機に陥った時にも宗教に助けを求めることはないし、簡単に自殺することもない。 こういう人が自殺するのは、自分に自信を失い、自分に絶望した時である。
出典
- <脱>宗教のすすめ(竹内 靖雄, 2000/01/10)