防諜論カウンターインテリジェンス ──防諜論 (上田篤盛, 稲村悠)
書籍情報
- 著者:上田篤盛(著), 稲村悠(著)
- 発行日:2024-08-02
- ISBN:9784594097424
- URL:https://ikuhosha.co.jp/book/ikh097424.html
書籍目次
- 前書きに代えて
- 日本における中国サイレントインベージョン(稲村)
- 先端技術関連企業から大量の人事情報持ち出しの真の目的は?
- ある中国人が役員になった日本企業がことごとく買収されていた
- 古代中国の兵法書にもあるハニートラップ
- 中国のカラオケ店で狙われる日本人
- カウンターインテリジェンスとは何か(上田)
- スパイ防止法の廃棄と特定秘密保護法の成立
- スパイ防止法の必要性
- スパイ防止法だけでは機密情報漏洩は防げない
- 本書の構成
- 第1章 ロシア・中国が日本に仕掛けるスパイ活動(稲村)
- 第1節 「スパイ天国」日本に跋扈するロシア、中国、北朝鮮のスパイ
- ロシア、中国、北朝鮮はインド太平洋地域の安全保障の脅威
- 中国の技術獲得活動への米国の対応
- 日本も経済安全保障推進法を制定
- 「スパイ天国」日本
- ロシア、中国、北朝鮮の日本へのスパイ活動
- 第2節 ロシア諜報活動の実態
- ソフトバンク元社員によるロシアへの情報漏洩
- ラストヴォロフ事件と瀬島龍三
- 新聞に嘘の記事を報道させた[周恩来の遺書]事件
- 日本人エージェントをどのようにリクルートしているのか
- ロシア機関員が見せる人心掌握術
- 第3節 中国スパイ(諜報)工作活動の実態
- 忍耐強く容易に撤退しない中国のスパイ
- 中国の民主化団体への潜入工作
- 日本の総研所属の中国籍研究員による技術情報流出事件
- [コラム]「千人計画」には日本人研究者も多数参加
- 防衛庁元技官に潜水艦の情報を流出させた巧妙な手口
- 大手自動車部品メーカーの最先端技術を持ち出した中国の技術者
- 「千粒の砂」戦略で情報収集
- 留学生ネットワークの活用
- 中国によるサイバー攻撃を受けた防衛省と外務省
- 在日中国大使館一等書記官・李春光事件
- 中国国際友好連絡会(友連会)が自衛官や国会議員に接触
- 中国政府統制下の孔子学院を無防備に設置する日本の大学
- 日本を舞台に展開される台湾統一工作
- [コラム]世界が驚いた「エム・バタフライ」事件
- 北朝鮮のサイバー攻撃グループ「ラザルス」
- 「スパイ天国」からの脱却に向けて
- 第1節 「スパイ天国」日本に跋扈するロシア、中国、北朝鮮のスパイ
- 第2章 戦後忘れ去られた日本の防諜史(上田)
- 第1節 戦前の防諜の歴史
- 日清・日露戦争のインテリジェンスと防諜意識
- 一般警察と軍事警察の創設
- 間諜(スパイ)罪の規定、共産主義への警戒と治安維持法の制定
- 満州事変の勃発と諸外国のスパイに対する防諜
- 戦時体制下の防諜――治安維持法改正と国防保安法
- [コラム] 情報保全より体制重視だった日本軍海軍・陸軍の防諜体制――兵務局創設と陸軍中野学校
- 戦前の「防諜」の定義と内容
- 戦前の防諜活動に学ぶべきこと
- 第2節 戦後の防諜の歴史
- 占領期の米陸軍防諜部(CIC)とキャノン機関
- 特高の廃止と外事警察、公安調査庁の設立
- 中央情報機関創設の挫折
- [コラム] 旧軍人が夢見た情報機関
- 自衛隊の情報・防諜組織の創設
- [コラム] 「情報戦」ではなく「調査隊」になった理由
- 間諜罪削除と国家公務員法の守秘義務規定
- スパイ防止法案の提出と廃棄
- 防衛秘密漏洩の罪の新設
- 第3節 カウンターインテリジェンスの推進
- 政府が掲げる「カウンターインテリジェンス」とは
- [コラム] 「カウンターインテリジェンス」をどう訳すか
- 国家安全保障会議(NSC)発足と特定秘密保護法制定
- 特定秘密保護法が可能にした情報の共有と運用力
- 特定秘密保護法で国家の利益は守られるのか
- 第1節 戦前の防諜の歴史
- 第3章 敵対国のスパイ活動を防ぐ「防諜」(上田)
- 「インテリジェンス」は「知識」「情報活動」「情報組織」「スパイ活動」
- 「スパイ活動」を支えるエージェント(協力者・内通者)
- [コラム] 『孫子』は防諜を最も重視
- 米国におけるCI(防諜)の定義
- 防御的防諜における「阻止」
- 攻撃・防御の両面にわたる「探知」
- 攻撃的防諜における「欺瞞」
- 攻撃的防諜における「無力化」
- カウンタースピオナージ(対諜報活動)とは
- なぜ防諜を重視すべきなのか
- 第4章 米国と中国の防諜戦(上田)
- 第1節 米国の防諜の現状
- 防諜上の主敵は中国
- 連邦捜査局(FBI)・中央情報局(CIA)・国家安全保障局(NSA)
- CIAとFBIの失態 ――エイムズ事件とハンセン事件
- なぜ米同時多発テロを防げなかったのか
- 防諜に関する法制度の歴史
- 機密指定制度に関する大統領令の変遷
- [コラム] 知る必要性」から「情報共有の必要性」へ
- セキュリティ・クリアランス(SC)制度とは何か
- サイバー空間での中国の脅威に対する防諜
- 第2節 中国の防諜の現状
- 直面する国内不安・防諜活動の特徴
- 政府・軍・党の情報機関
- [コラム] 情報機関の基礎は防諜にあり
- 「反スパイ法改正の理由」
- [コラム] 元中国人の外国人スパイには厳罰?
- 鉄壁な国内監視の体制
- 「海外警察」で中国人を監視
- [コラム] 亡命した民主活動家の妻は諜報員?
- 行動保全教育の徹底
- [コラム] 大使館に盗聴器に当たり前、日本が汲むべき教訓
- 第1節 米国の防諜の現状
- 第5章 「スパイ防止法」だけではスパイは防止できない(稲村)
- 日本で摘発された諜報事件の刑罰はどれくらい重いか
- スパイ防止法の内容
- スパイ防止法の必要性と課題
- どのようにしてスパイを立証するのか
- スパイ交換のエスカレーション
- [コラム] 不当拘束に毅然と対処せよ!
- 影響力工作への脆弱性
- [コラム] 鳩山内閣への政治工作の驚愕
- 個人・組織の防諜意識の欠如
- サイバー空間等の新たな脅威
- 第6章 情報保全・スパイ防止のために何をすべきか(上田・稲村)
- 第1節 国家の防諜体制を強化する(上田)
- 防諜に係る理論と教育
- 防諜機関の設立・強化
- 当面重視すべき法整備(稲村)
- 第2節 企業の防諜体制を強化する(稲村)
- 企業における防諜対策の基本
- (1) 予防(抑止)
- (2) 予防(制御)
- (3) 探知
- (4) 事故対応
- 「人的リスク」に着目した情報管理
- 「業界におけるCOLLINT体制」の確立
- 第1節 国家の防諜体制を強化する(上田)
- おわりに(稲村)
- 主な参考文献