ファシズムの教室 なぜ集団は暴走するのか(田野大輔)
書籍情報
- 著者: 田野大輔(著)
- 発行日:2020-04-15
- ISBN:9784272211234
- URL:https://www.otsukishoten.co.jp/book/b505628.html
書籍目次
- はじめに
- 第1章 ヒトラーに従った家畜たち?
- 1 小さな権力者たちの暴走
- 「大衆運動」としてのナチズム
- プロパガンダ論の限界
- 末端の権力者を突き動かすもの
- 権威への服従がもたらす「自由」
- ユダヤ人迫害のメカニズム
- 「水晶の夜」の暴動
- 2 「民族共同体」という理想郷
- 階級のない「公正」な社会
- 「喜び」を通じて「力」を
- 3 統合の核としての指導者
- 『意志の勝利』に見るヒトラー
- 「アイドル」としてのヒトラー
- 「普通の人間」のイメージ
- 4 大量殺戮への道
- 「異分子」の排除とホロコースト
- 「悪の陳腐さ」
- 「彼らは自由だと思っていた」
- コラム 水晶の夜
- コラム 悪の陳腐さ
- 1 小さな権力者たちの暴走
- 第2章 なぜ「体験学習」なのか?
- 1 「体験学習」が生まれるまで
- 『ウェイヴ』の衝撃
- 授業化にあたっての課題
- 暴走の疑似体験
- 2 「社会意識論」のテーマ
- 普通の人間の残虐行為
- ミルグラム実験
- 「権威への服従」がもたらすもの
- 3 「体験学習」の概要
- 授業の流れ
- 授業のねらい
- コラム ミルグラム実験
- 1 「体験学習」が生まれるまで
- 第3章 ファシズムを体験する
- 1日目
- 受講にあたっての注意
- 独裁とは?
- 独裁に不可欠なもの
- 拍手で指導者を承認
- ナチス式敬礼
- 独裁を支える団結
- 共同体の力
- ここまでのまとめ
- 席替えで受講生を分断
- 制服
- ロゴマーク
- 集団の目的
- 2日目
- ほぼ全員が制服を着てくる
- 再び糾弾の練習
- 前回の復習
- 柄シャツ登場
- ワッペン作成
- グラウンドに整列
- 隊列行進
- リア充の糾弾
- 意識の変化を書かせる
- コラム ナチ党大会の実態
- 1日目
- 第4章 受講生は何を学んだのか?
- 1 受講生のレポートからわかること
- 高い参加意欲
- レポートの概要
- 典型的な感想
- 2 デブリーフィングで学ぶこと
- 3つの論点
- (1) 集団の力の実感
- (2) 責任感の麻痺
- (3) 規範の変化
- 日常の問い直し
- 危険性の認識につなげる
- 3 ファシズムの正体とは?
- ファシズムの「魅力」
- 集団行動の快楽
- ファシズムが生まれるとき
- 「正義」の暴走
- コラム ホロコースト
- コラム ナチ体制は全体主義国家なのか?
- 1 受講生のレポートからわかること
- 第5章 「体験学習」の舞台裏
- 1 「体験学習」の工夫と注意点
- (1) 主体的な関与を促す指示
- (2) 共通の制服とワッペン
- (3) ナチス式の呼称と敬礼
- (4) ネタ的な過剰演出
- (5) 事前の入念な準備
- (6) 状況に応じた適切な指示
- (7) 実習の場所の設定
- (8) 実習の期間の限定
- 2 「体験学習」の教育的意義
- 主体的な学び
- 座学の重視
- 台本の役割
- 集団行動の危険性を学ぶ
- 民主主義教育の限界
- 3 「体験学習」が直面する課題
- 否定的な価値を学ばせる
- 「寝た子を起こすな」論
- 意義を理解してもらうこと
- コラム 青い目、茶色い目
- 1 「体験学習」の工夫と注意点
- 第6章 ファシズムと現代
- 1 ポピュリズムの時代
- 現代に蘇るファシズム
- 生の実感を取り戻す
- ポピュリズムの危険性
- 「正論」の限界
- 2 日本の不寛容な空気
- 「HINOMARU」 騒動
- 「右も左もない愛国心」
- 「政治的正しさ」への反発
- ヘイトの動機
- ファシズムに抗するには?
- 「責任からの解放」
- コラム ネット右翼
- コラム ヒトラーは社会主義者なのか?
- 1 ポピュリズムの時代
- おわりに