なぜ、脳は神を創ったのか? (苫米地英人)
書籍情報
- 著者:苫米地英人 (著)
- 発行日:2010-06-04
- ISBN:9784894518155
- URL:https://www.forestpub.co.jp/author/tomabechi/book/S-0015
書籍目次
- はじめに
- 序章 なぜ、脳は神をつくったのか?
- 神様を必要とする人々
- 戦争は国家の外交権のひとつ
- なぜ、宗教は人を殺すのか?
- 「利益教」からの脱洗脳
- 第1章 人はなぜ神を必要とするのか
- 神とは何か?
- 神は脳によってつくられた
- プリウスの鉄板を見た!
- 霊感特殊能力があると主張する人は100%オカルト
- 明治以前の日本には宗教という概念がない
- 人間は完全情報を求めて信仰心を抱く
- なぜ祖先崇拝が生まれたのか?
- 死への根源的な恐怖
- 宗教から権力支配へ〜宮本武蔵は催眠術師〜
- 信仰心から国家が生まれた!
- 「そんなものは、言語現象ではない」
- 「宗教学が対象としない宗教現象」は宗教ではない!?
- 「魔女狩り」と「死海文書」
- 消えていった敗者の宗教
- 資本主義もマルクス主義も宗教現象
- 第2章 宗教と統治力
- 政教一致だから世界秩序が保たれた!
- スピリチュアルブーム〜占いも宗教の一形態〜
- キリスト教
- イスラエルのヒルトンホテル「汝、母の乳で子の肉を煮るなかれ」
- 宗教の自由を求めて生まれたアメリカ
- エノラゲイに乗っていた
- 人目の人物
- 宗教戦争
- アメリカがナチスドイツに原爆を落とさなかった理由
- ケネディ大統領、キング牧師が殺された理由
- 俺の女をとりやがって教
- 「お国のため」という宗教
- 宗教家にこころから悪い人はまずいない。でも権力者に極悪人がいる!
- 第2章 神は存在するのか?
- 神は本当に存在しないか?
- 認知科学以前と認知科学以降のリアリティー
- ヴェルナーハイゼンベルクの不確定性原理
- 量子論によって「この世には真空がない」ことが証明された意味
- いずれ人類は宇宙さえも創る
- 量子論と「空」
- 東京タワーからハンカチを落として、落ちる場所は絶対にわからない!
- ユークリッド幾何学の誤解
- ゲーデルの証明不能命題
- 1991年は神が正式に死んだ年
- ゲーデル、チャイティンの最期
- 第4章 西洋のキリスト教と東洋の仏教
- アプリオリ
- 釈迦は王侯貴族
- 釈迦の思想
- 毒矢のたとえ
- 釈迦は暗殺された?
- お経を唱えることには意味がない
- 2000年前の上座部仏教の煩悩
- 釈迦はマントラを否定した!
- 仏教は日本へどう伝わったか?
- 釈迦の教えはハードコア
- 中沢新一とオウム真理教
- 浄土は涅槃への中間地点
- なぜ、南無阿弥陀仏と唱えるのか?
- 宗教は、この21世紀には不要
- 第5章 神宗教から自由になる方法
- 従工場牧師
- 宗教の積極的ビジネス介入
- 政教一致による自由
- 完全に自由になるために
- 餓死する人間が1人もでない世界
- 2世議員と差別
- 権利と義務はひっくり返っている!
- 共産主義圏と資本主義圏
- 納税のシステムはいらない!
- 国会議員と公務員の仕事の対価は無給!
- この世に唯一絶対の価値の尺度はない
- おわりに
- 他人の価値観を捨て、自分の価値観で生きろ!
- コンフォートゾーンの外側に立て!
- 空
序章 なぜ、脳は神をつくったのか?
神を必要とする人々
- 人間の悩みの三類型:
- 事業の窮地
- 人間関係の苦悩
- 治らない病気
- 社会のどこにでも転がっている悩みだが、先の見えない当人にとっては深刻以外の何物でもない
- 信仰心の芽生え:
- ある者は立ち直り、ある者は挽回かなわず敗れていく
- 九死に一生を得てどん底から這い上がった人には、それをきっかけに信仰心を持つケースが多い
進化しない宗教認識
- 二千年、二千五百年の時間:
- 西洋ではキリスト誕生からおよそ2000年、東洋では釈迦が仏教を唱えてからおよそ2500年がたつ
- 宇宙136億年の歴史から眺めればわずかな時間だが、人間にとっては非常に長い進化の時間である
- この間の人間の達成:
- 農耕を発達させ、学問を進歩させた
- 国家という概念を生み出し、戦争をくり返し、爆発的な工業化を遂げた
- 宗教認識だけが停滞:
- 宗教についての人間の認識は、2000年前や2500年前に比べ決して進化したとはいえない
20世紀後半のコペルニクス的転回
- 神をめぐる転回:
- 20世紀後半、神の存在をめぐってコペルニクス的転回が起こった
- 知らされなかった事実:
- 私たちの大半は、その事実も社会への大きな影響もはっきりと知らされることがなかった
- その結果、21世紀を20世紀までの古い考え方で、20世紀の延長であるかのように生きようとしている
信仰心の根源と政治利用
- 根源的な信仰心:
- 人間は根源的に信仰心を持っている
- 不完全な自分には計り知れない未来や死への恐怖を、なんとしてでも克服したいと願う心に根ざす
- 困難時の心情との類似:
- 事業、人間関係、病気という困難に立ち向かうとき、人が変わったように自分を捨てる心情によく似ている
- 信仰心の政治的利用:
- 信仰心それ自体は悪いものではない
- 不幸なことに、人間本来のその心のメカニズムは宗教にのみ向かわず、政治によって利用されている
戦争は国家の外交権か
- 教科書の論理:
- 教科書には、戦争は国家の外交権のひとつだと書いてあった
- 相手国が権利を侵そうとしている場合、国家は紛争解決の手段として戦争をしてよいことになる
- 論理の破綻:
- やむをえない場合には戦争や人殺しをしてもいいというのは、非常におかしな論理である
- 戦争は利益追求の手段:
- 歴史的に見れば、戦争は国家にとって常に利益追求の手段であった
- 第二次大戦のドイツ、日本、イタリアも、戦った連合国も、莫大な利益が手に入るからこそ実行した
- 攻められたから攻め返したという現象の裏には、巨額の利益をどう導くかの計算が常に働いている
- 儲かりもしないのに義憤にかられて参戦し、国民の生命と財産を浪費する国などない
- 帰結:
- やむをえない場合は戦争に訴えてよいとは、国家が利益のため罪もない人々を巻き添えにしてよいという理屈である
正当防衛という物語
- 一見もっともらしい理屈:
- 何もしなければ殺される極限状況の人間が究極の手段に出るのも無理はないと考える人がいて不思議はない
- ドラマと現実の乖離:
- 殺そうとしたほうが悪、正当防衛したほうが善という話は現実にはほとんどない
- ドラマでは視聴者が主人公に感情移入しないと成立せず、もっともらしい理由を入れる動機が潜む
- 実際の事件の構図:
- 殺されそうになったので殺したという殺人事件は、金銭、利権、異性関係が絡んだものが99.99パーセントである
- 利権獲得のため相手をさんざん挑発し、追い込んでいるケースはざらにある
- 相手が殺しにくるよう仕向け、今度はそれを理由に相手を殺す
- 隠された闇のストーリー:
- 殺し殺される極限状況にいたるまでには、当人たちにしかわからない闇のストーリーが隠されている
- 実際の事件では、いずれの側にも相手を亡き者にして何らかの利益を得る動機が潜んでいる
- 正当防衛なら人を殺していいという理屈が成り立つのか、あらためて問わなければならない
宗教的狂信と中絶医射殺
- 利益のための殺人と狂信の同一性:
- 利益のために邪魔な人間を殺してもいいという発想は、実は宗教的な狂信と同じである
- アメリカ南部の事件:
- 原理主義的なキリスト教徒が妊娠中絶手術を行う産婦人科医を射殺する事件が後を絶たない
- 彼らは、生まれてくるはずのキリスト教徒を堕胎させる産婦人科医こそ殺人者だと主張する
- 産婦人科医は神の教えに背き、キリスト教ひいては国家の利益を損なっているのだという理屈である
- 論理の卑怯さ:
- 神の教えを守るというなら、なぜ法律で中絶を禁止するよう議会に働きかけないのか
- 背教者を殺すことを認めるなら、なぜ産婦人科医でなく国会議員や大統領を撃ち殺さないのか
- 自分たちがやられるからじわじわ圧力をかければよい、という発想がそこにある
- 条件闘争の道具:
- 産婦人科医の命は、彼らにとって条件闘争の道具でしかない
- 神への冒涜や国家的損失を口実に、より弱い立場の人間を生贄にして利益誘導を行っているだけである
- イエス・キリストがこのようなことを実行せよと教えた事実はどこにもない
利益教と利益崇拝
- 遺伝子に刻まれたタブー:
- 戦争や人殺しをする人たちは、利益のためならそれを行ってよいと非常に強く信じている
- 殺しのタブーは遺伝子に強く刻み込まれた情報であり、利益という浅薄な理由で破られるほど弱くはない
- 叩き込まれた価値観:
- それでも戦争や人殺しが絶えないのは、利益のためにはそうすべきという価値観を強烈に叩き込まれた証拠である
- その行為は自爆テロと同等レベルの、強烈な宗教的行為といわなくてはならない
- すなわちそれは「利益教」であり、「利益崇拝」である
- 現代社会への蔓延:
- 文明が花開き知的レベルも上がったかに見えながら、利益教の妄信がいたるところにはびこっている
- このことが世界の有り様を理解する目を曇らせ、人間が進むべき方向を見失わせている
神の不在と脱洗脳
- 神はもういない:
- 現代の世界には、もはや神はいない
- 物理学や数学をはじめとする科学の発展は、明確に神の不存在を証明した
- 20世紀末には宗教学者でさえ「神は存在しない」と定義した
- 信仰心そのものは否定しない:
- 人間が抱く信仰心を否定しようとは思わない
- よりよく21世紀を生きるには、神、宗教、信仰について、きれいに整理をつける必要がある
- それなしには、大きな時代の節目であるこの困難な時代を迷わずに進めないと不安に感じる