マネジメントによる独裁的意思決定アンチパターン
1. 状況
マネジメントがエンジニアの提言を無視し決定をゴリ押ししている
- エンジニアは技術的根拠に基づく提言をしている
- そうであるにも関わらず、提言を聞き入れない・無視してマネジメントが決定した方針をゴリ押ししようとする
- 結果として、チームは失敗が見えているにも関わらず進み続けるしかなくなる
2. 問題
意思決定の歪み
- データやエビデンスよりも素人の意思決定が重視される
- 意思決定を一部の素人が支配することで正当な意見が通らなくなる
チームの機能不全を招来
- 提言する意味が無いので意欲の低下と無気力感の蔓延(学習性無気力)
- 有能な人材から離脱していきチームの実効能力が低下
技術的劣化
- 根拠の無い判断により技術的負債の増加
- それにともなうプロダクトの品質低下
3. 原因
個人のエゴ
- 承認欲求、自己愛、他者への見下しなど個人の心理的な問題から生じるエゴイズム
- マネージャーというポジションに就いたことで自分の判断が全て正しいと感じてしまう錯誤(全能感による錯誤)
組織的問題
- 伝統的に組織の力関係や発言力がマネージャーが優先される風土
- 根拠や議論よりやってみればよいという風土
4. 解決策
組織文化の再設計
- 心理的安全性の確保:
- 採用・昇進基準の見直し:
- 人事評価の基準に「反論を適切に扱っているか」を導入
- 組織文化として異論を許さない人間を評価しない姿勢を徹底
- 情報の透明化:
- 意思決定を透明化し、全体に公開する
- 密室や少人数で決めることを構造的に抑止する
意思決定プロセスの再設計
- 提言や意思決定は文書化し反論も記録するようにする(ADR、RFCなど)
- 記録として永続的に証拠が残ることで、エゴによるゴリ押しがやりづらくなる
- また、何故そう決めたのかという検証プロセスを取り入れることができる
意思決定の評価プロセスの再設計
- ふりかえりによる意思決定とその成否・影響などを評価するプロセスの導入
- 「あの時の決定は正しかったか」を後日検証することで、その判断の成否を分析する
- 根拠なき決定が積み重なり、成否と共に評価されればそれが「実績」になり無闇な意思決定が抑制される
5. 注意事項
議論するよりやってみればよい場面は存在する
- 未知の領域への挑戦の場合、議論するよりも失敗するリスクを見込んだ上でとにかくやってみることが重要という場面はありえる